「どうしたいの?」
「もう勉強はしたくない」
「そうなんだ。何だったらしてみたい?」
ややしばらくして、「サッカーがしたい」という答えが返ってきました。
「この子は決して運動が得意というわけではないんだけど」と思いながらも、お母さんは、近所のサッカーチームに入れてみることにしました。その結果、思ってもみなかったことが起きたのです。

今日のMVPは・・・

A君が入ったサッカーチームには、ユニークな習慣がありました。練習後、コーチが「今日のMVPを発表します!」と言って、その日活躍した子どもの名前を挙げて、全員で承認する時間があるのです
「今日のMVPは、一番元気よく声を出していた○○君!」
「今日のMVPは、一番早く来て準備をしていた○○君!」
「今日のMVPは、一番丁寧に後片づけをした○○君!」

プレイが光っていた子どもも、もちろん承認しますが、練習以外の部分でがんばっている子、気配りをしている子も見逃さずにヒーローにします。そのことによって、練習以外の掃除や挨拶などにも子どもたちは手を抜かないようになっていくのだそうです。

A君も、自分では気づいていなかったことで、コーチからMVPをもらい、サッカーに通うのがますます楽しくなってきました。「今日ね、皆の動きをよく見てるって言われたよ!」と嬉々として報告するのです。
すると、学校に行くことに対しても、以前ほど、抵抗を示さなくなりました。「学校よりサッカーのほうがずっと楽しい」とは言っていますが、「学校に行きたくない」と言わなくなりました。サッカーの練習に行くために、宿題も、自発的に早く終わらせるようになったのです。これには、お母さんもびっくりでした。

全文はこちら