[ニュージーランド瞑想1]ワイタケレの原生林でありのままの私に出会う~私は自然だ

自然の美しい国、ニュージーランド。人は自然の中でなら、簡単に安らぎを得られ、自分の中に隠れている価値を見つけることができます。忘れていた純粋さを回復し、人生の方向性を探す心の旅に出てみませんか? これから数回にわたり、ニュージーランド瞑想をご紹介します。

ニュージーランドには地球の太古の姿がそのまま残っている原生林がたくさんあります。その1つ、北島のオークランドから車で約40分のところにあるワイタケレの森で大自然を満喫しながらトレッキングができます。

1万年を越える歴史を誇るワイタケレ。ニュージーランドの先住民マオリ族の言葉で「deep water」という意味だそうです。人の手が届かない山深い谷から流れてくる清流が連想されます。ワイタケレに近づくにつれ、濃い森の香りが漂ってきます。

ワイタケレに入るには、まず私たちの状態をワイタケレに合わせる必要があります。生態系を壊すバクテリアや森に合わない外来種が靴底から森に流入するのを防ぐために靴を消毒します。ワイタケレの自然が1万年も続いているのも頷けます。ニュージーランドでは、すべての国立公園の入口で靴底を消毒します。

体を清潔にし、ワイタケレの森の精霊に挨拶してから一歩一歩踏み出すと、周りから感嘆の声が漏れてきます。普段、目にするような森とは異なる景色。まるで恐竜が飛び出してきそうな錯覚に陥ります。悠久の歳月を経てきたワイタケレに息づく数々の生命から噴き出す強力なエネルギーが伝わってきます。

「これが大自然なんだ」

ニュージーランドでは、自然ではなく「大自然」に出会えるといいます。ニュージーランドの森の中の道は、私と大自然を区別したりしません。トレッキングをしている間、「大自然の中を通り過ぎる」のではなく「大自然の中に入っていく」という感じがします。

一歩一歩入っていくほどにどんどん「私」という存在を忘れていきます。少し広い空間に出ると、自分の気に入る場所を見つけて30分ほど瞑想します。

帰ったら待っている山のような業務、私を取り巻く多くの関係、何も思い出しません。感じられるのは、今この瞬間、私の呼吸、そして、ワイタケレの生命。ストレスで呼吸が浅かったのに、いつの間にか呼吸が足の裏まで下がっているような感じです。というより、全身で息をしているみたい。私とワイタケレの境界が薄れていく瞬間です。

わけもなく涙がこぼれました。私はいつも忙しく、やらないといけないことがたくさんあって、いつも優秀でないといけないと思っていたけど、ワイタケレでは私はただ自然であり、森でした。「こうあるべき」というものはありませんでした。こうあるべきだと自分を急き立てていただけだったようです。私は、1万年続いてきたワイタケレのように無限のエネルギーを持つ生命そのものだったのです。

★一指李承憲学長のワンポイント「ニュージーランド瞑想」

私は60歳を過ぎてニュージーランドに出会いました。人々が自分の価値を見いだして世に役立つような世界を作っていく感覚を育てるのに、ニュージーランドほどふさわしいところはないと思います。だから、私はここを地球市民のための最高の瞑想地に選びました。

ワイタケレは、ニュージーランドでなければ出会えないような森です。手つかずの自然がそのまま残っていて何の障害も限界もない場所がワイタケレのようなニュージーランドの森なのです。ここでは、努力しなくても自然の根源と出会えます。だから、悔いが残らないように、ここに滞在しているあいだ、いつも集中して自分自身に向き合ってください。

一指 李承憲
脳教育者、瞑想家、平和運動家。
グローバルサイバー大学学長、地球市民学校設立者。
ニュージーランドのケリケリにあるハルルリゾートにて講義や瞑想指導を行っている。

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