[教育] 思春期の親子のコミュニケーションに必要なことは?

小学生から中学生へと成長するにつれ、わが子との会話がうまくいかず、悩む親は多いようです。何を聞いても「別に」という返事だったり、中には「うっとうしい」「うるさい」という言葉を連発する子もいたり、接し方に難しさを感じることもあるでしょう。最近は「子育ての方法は自然に身につくものではなく、積極的に学んで身につけなければならない」と考える親も少なくないようです。

子供との接し方については、専門家から様々なアドバイスが出ており、たとえば、米国の心理学者トマス・ゴードン氏が提唱した「親業訓練」によれば、一方的に「○○しなさい」という代わりに、話を聞き、じっくり話し合う姿勢を持てば、子供たちはよく話をするようになる、とされます。

また、アドラー心理学にもとづく育児法では、子供を罰したり、お金や品物をほうびとして与えたりするのでなく、勇気づけながら育てることを提唱しています。それによって、子供が自分自身を信頼できるようになるだけでなく、親子間のコミュニケーションもスムーズになるといいます。

最近の日本の子供は、少子化や塾通いで、仲間と群れて遊んだり、兄弟にもまれて育ったりすることが少なくなり、対人関係能力が落ちていると言われています。それは、親子間のコミュニケーションの減少にもつながっているようです。

「一人っ子時代」が今後さらに進むことで、子供の情緒面の弱さにもつながりかねないとの懸念も出ています。人間関係が上手で周りの人と仲良くできる子供に育てるには、何より両親との関係が大事であることは言うまでもありません。親との関係がすべての人間関係の始まりだからです。

子供とどれほど頻繁に、意味ある親密な対話を交わしたのかによって、子供の情緒発達はもちろん、脳の発達にも大きな影響を及ぼすことになります。

脳教育では、家族のメンバーがお互いに愛と感謝の気持ちを伝えることが大事だと考えています。愛し合い、いつも喜び、すべてに感謝するとき、体からは清いエネルギーが出ます。このようなエネルギーが子供の脳に伝わって積もるとき、子供は情緒的に安定し、失敗を恐れずに様々な冒険を試みることができるのです。

親が子供の健康をケアする「家庭の医者」になることも大切です。子供を育てたことのある親なら、子供が熱を出して夜通し看病した経験もあるでしょう。真心をこめて子供をケアすることで、お互いに深い「共感」が根付きます。これは、子供の自然治癒力の向上にもつながるはずです。