[教育] グローバルリーダーを育てる教育、オルタナティブスクールとは

最近、教育の世界で関心が高まっているオルタナティブスクール。一体どのような教育をするところなのでしょうか?

 

オルタナティブスクールとは、公教育を補完したり、代替したりする民間の学校や教育機関のことで、「代替学校」とも呼ばれています。ヨーロッパで生まれ、日本では1960年代に誕生。近年、増加傾向にあり、多様な教育の機会を与える存在として、注目が集まっています。

 

オルタナティブスクールは、国や地方自治体による許認可を受ける必要がないため、学校側が自由に個性的なプログラムやカリキュラムを編成できるのが特徴です。子供の自主性を重んじ、「学力」だけではなく人間性を高める教育を標榜するところが多く、一人一人の興味や希望に沿った教育を受けやすいという傾向があります。「少人数クラス」「教師と生徒とが親密な関係にある」といった特徴も見られます。

 

特定の教育思想に基づいているオルタナティブスクールも多く、イギリス王室のウィリアム王子やヘンリー王子が受けた「モンテッソーリ教育」や、ドイツ生まれの「シュナイター教育」などが代表的なオルタナティブ教育のメソッドとして有名です。

 

こうしたオルタナティブ教育は、欧米では、一般の学校教育にも部分的に採用されることがあるほか、学習に応じて高卒資格を取得できたり、国や自治体から補助金が出るケースもあるといいます。アメリカではオルタナティブ教育を受けた子供のほうが、人間としての公共性の面で優れ、かつ成績も優秀だったとの調査報告もあるとされ、アメリカのオバマ大統領やクリントン元大統領も、オルタナティブ教育を受けていたのは有名な話です。

 

一方、日本ではオルタナティブスクールは「フリースクール」とも呼ばれ、1980年代ごろから不登校生の受け皿として発展してきました。今のところ欧米ほどオルタナティブ教育は盛んではありませんが、これまでの画一的な教育制度の限界が指摘されるなかで、学力だけでなく、人間力や創造力、リーダーシップを育てることができるオルタナティブスクールの役割に期待が高まっています。

 

次回は、特徴的なオルタナティブスクールを一つ一つ取り上げてみたいと思います。お楽しみに。