[教育] ストレスケアにとどまらない人間力を高めるメンタルヘルスケアとは? 第4回グローバルメンタルヘルスセミナー開催

メンタルヘルスケアに関する世界の最新事例や研究成果を紹介する「第4回グローバルメンタルヘルスセミナー」が8月5日に京都大学で行われます。「人工知能がもたらす社会変革時代に求められるメンタルヘルスケアとは? 脳教育が人間力を高め、未来を切り開く」をテーマとした本セミナーでは、第一線で活躍する専門家や教育関係者による講演と脳教育事例発表などが行われます。

現在、飛躍的に発達した人工知能、モノのインターネット、ビックデータなどの技術革新によって働き方や仕事の内容、学校教育が変わってきています。第4次産業革命とも呼ばれる新たな情報化時代の流れの中で、人間力を高める必要性が増しています。これまでの意識、思考、行動を変え、ストレスケアにとどまらないポジティブなメンタルヘルスケアや自己価値創造が求められ、脳に関する研究や脳開発、脳教育に対する関心が高まっています。

グローバルメンタルヘルスセミナーは、労働安全衛生法の改正により従業員50人以上の事業場にストレスチェックの実施が義務付けられるなど、職場のメンタルヘルスにも関心が高まってきた2014年から毎年開催されています。

第1回グローバルメンタルヘルスセミナーは2014年11月、「大人と子どものメンタルヘルス キーワードは脳!」をテーマに開催されました。世界と日本における脳科学やメンタルヘルスの動向・知見をテーマとした講演がありました。

また、学校、病院、職場などでブレイン体操を実践しているメンタルヘルスケアの事例、小学校への脳教育導入を通した子供のメンタルヘルスケアなどの事例発表が行われました。このセミナーは、8日京都大学で、9日東京大学で、それぞれ開催されました。

第2回グローバルメンタルヘルスセミナーは、「ストレスケアから自己価値創造まで」をテーマに、2015年11月21日に名古屋大学で、23日に東京大学で開催されました。職場や学校におけるメンタルヘルスケアについて、海外の先駆的な取り組みや日本企業におけるストレスケアの現状をふまえ、専門家が講演やプレゼンテーションを行いました。

メンタルヘルスケアに役立つブレインエクササイズの体験やこれまでに学校や病院などで行ってきたメンタルヘルスケアの事例発表、IBREAの活動実績がポスターセッションで紹介され、質疑応答も行われました。

第3回グローバルメンタルヘルスセミナーは、「脳教育を通した大人と子どものメンタルヘルスケア」をテーマに、2016年9月10日に大阪大学で、11日に東京大学で開催されました。食生活や運動、さらには脳教育プログラムによって腸や脳をケアすることで、青少年からシニアまでストレスケアが図られるとの報告や研究発表が行われました。

「第2の脳(腸)から始まる体と心の健康」をテーマに、大阪会場では辨野義己博士(国立研究開発法人理化学研究所 特別招聘研究員)が、東京会場では藤田紘一郎・東京医科歯科大学名誉教授が、それぞれ特別講演を行いました。

また、グローバルサイバー大学脳教育融合学部のオ・チャンヨン教授がストレス解消の新たな方法と注目される「へそヒーリング」について、韓国脳科学研究院とともに進めた共同研究の結果を紹介しました。研究結果によると、へそヒーリングをした被験者は、腹部だけでなく手先や下半身にも熱の上昇が確認され、腸の周辺の循環が良くなり、胃腸の動きが活発になりました。その一方で、肩と頭の熱が下がって頭がすっきりし、肩の緊張が解消されました。さらに、へそヒーリングを行う前よりも脳波が安定する傾向が見られました。

オ・チャンヨン教授はこうした研究結果をふまえ、「感情によって発生した仕事のストレスや否定的な心理は、心身ヒーリングや脳教育によって緩和され癒やされる」とし、「脳教育とへそヒーリングを根気よく続けることで、脳と腸の機能を高め、免疫力や回復力の向上など、メンタルヘルスに役立つ」と指摘しました。また、「家族、友人、同僚と一緒に、コミュニケーションを取りながら共感しあいながら脳教育プログラムに参加すると、より大きな効果が得られる」として、一般家庭はもとより、教育現場や職場での脳教育の導入を呼びかけました。

また、脳教育を全面的に取り入れた国内初のオルタナティブスクールとして今年開校した日本ベンジャミン人間性英才学校の品川玲子校長が、同校の取り組みを紹介。続いてベンジャミン学校の生徒7人が、自分たちの変化や成長、今後の夢などについて発表し、会場を沸かせました。

品川校長は「ベンジャミン学校にはテスト、成績表、宿題、教科授業、校舎の5つがない。オンライン環境とワークショップで交流し、コミュニケーションを図っている。自分の夢と進路を設計するマネージャーとして成長できる学校だ。教師が教えるのではなく、自ら模索して選択して創造するプロジェクトを体験していく。

言語、文化、国家の枠を超えた国際化環境でグローバルリーダーシップを育てる教育や交流も提供している。国際化された環境の中で外国語を使いたいというモチベーションを与えることが大事だ。ベンジャミン学校が提供している国際キャンプや国際ワークショップ、国際プロジェクト、国際大会やカンファレンスへの参加によって、生徒の意識が成長している」と述べました。

今年8月に行われる第4回グローバルメンタルヘルスセミナーの第1部メンタルヘルスと教育では、グローバルサイバー大学脳教育融合学部のジャン・レヒョク教授が「人工知能 VS 自然知能~人間の脳の特別さを目覚めさせる」をテーマに特別講演が行われる予定です。ジャン・レヒョク教授は、韓国脳科学研究院首席研究員を経て、現在、脳教育に特化したグローバルサイバー大学脳教育融合学部教授として脳教育の研究と指導を行いながら、脳教育雑誌『ブレイン』編集長も務めています。

脳教育の事例発表では、日本ベンジャミン人間性英才学校の品川玲子校長が「地球市民を育てる脳教育の教育革新モデル」をテーマに日本ベンジャミン人間性英才学校の事例を紹介します。品川玲子校長は、日本人初のブレイントレーナーとして10年以上の脳教育指導経験があり、セミナー講師として、テレビ雑誌などを通して、心と体と脳の健康について伝えています。

第2部メンタルヘルスと健康では、藤田紘一郎東京医科歯科大学名誉教授が「幸せな脳は腸がつくる~腸脳相関の秘訣」をテーマに特別講演を行います。

事例発表では、「腸と脳のメカニズム~脳教育トレーニングの効果」をテーマに行われる予定です。企業などの職場や高齢者、学生、生徒などを対象に脳教育トレーニングを実施して、心身の変化に関するデータを収集・分析した結果をもとに事例発表を行います。

本セミナーは、IBREA JAPANが主催し、京都新聞、国際脳教育協会、グローバルサイバー大学、ECO JAPANが後援しています。

主催のIBREA JAPANは、国際脳教育協会(International Brain Education Association : IBREA)の日本支部として1997年から活動しはじめ、2007年1月に特定非営利活動法人登録。学校、企業、官公庁、文化センター、老人ホーム、公園などで脳教育を普及しています。脳教育に関する研究活動としてセミナーを開催し、人間の脳が持つ無限の価値を知って活用し、健康で幸せで平和な社会づくりに貢献しています。特に脳と腸の関係に着目し、腸のケアを通して体も心も健康になる方法を指導しています。

http://global-mentalhealth-seminar.com/