みなさんは、「集中している状態」というと、どのようなことを思い浮かべますか? 「緊張感がピンピンと張りつめた状態」や「歯を食いしばって苦闘している状態」を想像する人も多いかも知れません。子供のころ、授業中やお稽古中にソワソワしていると、「ちゃんと集中しなさい」と叱られたりすることもあって、集中というと、何だか苦しいものと思われがちなのです。
でも、実は、集中状態とは、心地よくて楽しいものだと、脳の専門家は指摘します。過度に緊張することなく、ほどよくリラックスして、気持ちも落ち着いた状態が真の集中なのです。とはいえ、なかなかうまくいかないのが現実。集中力を上げるために、食べ物や睡眠、照明まで変えてみたり、運動したり、気分転換をしたりと、様々な工夫をされている方も多いことでしょう。
脳を活性化させるためには、脳にエネルギー源を補給してあげる必要があります。脳に酸素やブドウ糖などのエネルギー源を運んでいるのは血液です。つまり、脳への血流量が増えると脳は活発に活動することができ、集中力や記憶力などが向上するのです。
また近年、腸内細菌への関心が高まり、多くの研究がなされています。それらによると、腸と脳は、神経系やホルモン、情報伝達物質などによってネットワークを形成しており、密接に影響しあっています。これを「腸脳相関」と呼びます。腸内環境を良くすれば脳や心にプラスに働くということも明らかになってきています。
「緊張をほぐす」「血行促進」「腸内環境を整える」。これらを一度にできる方法がへそヒーリングです。へそヒーリングは、へそやへそ周りの腹部を刺激することで腸を活性化します。全身の約30%の血液が集まっている腸の血行が良くなると、全身の血流が促進され、脳への血流量が増します。そして、腸の血行が良くなって腹部温度が上がることで、腸内フローラを健康に維持する環境が作られます。また、へそは身体の緊張している部位を探すボタンです。へそを押すと、肩、腰、脚など、身体のあちこちからサインが送られてきます。へそヒーリングをすれば、体の緊張状態が自分で把握でき、簡単にリラックスすることができます。
▲へそヒーリング
へそヒーリングの前後に行った脳波測定で、集中力と記憶力の向上が認められた事例を見てみましょう。今回使用した脳波測定器では、脳波を測定・分析し、集中力や判断力の脳波指標、左脳と右脳のバランス状態、自律神経やストレス耐性の傾向などを見ることができます。
▲へそヒーリング前の脳波測定結果
▲へそヒーリング後の脳波測定結果
へそヒーリング前には、左脳が活性化していましたが、へそヒーリング後には右脳が活性化した状態になっています。また、へそヒーリング後は安静状態でリラックスしているときに見られるシータ波が増え、覚醒状態の集中力が増していますので、「リラックスした集中」ができるようになったと見ることができます。そして、集中力の持続度をみると、へそヒーリング前は、前半は集中力が低く、後半から集中し始めていますが、へそヒーリング後は、全体的に一定の集中度でへそヒーリング前より安定的に取り組めたと見られます。さらに、「記憶力」の中でも短期記憶力が高くなっています。この方は記憶が苦手とおっしゃっていましたが、へそヒーリングでリラックスした集中状態になり、右脳が活性化されたことで苦手意識や先入観がなくなり、短期記憶力がよく働くようになったと思われます。
▲脳波測定のイメージ
◆へそヒーリングとは◆
へそヒーリングは、一指李承憲氏が考案した健康法です。へそ周りには消化器、循環器、免疫器官など、生命維持に関わる大切な器官が集まっています。へそを中心に腸をほぐすへそヒーリングを行えば、消化器系、循環器系、免疫系にダイレクトに影響を与えられます。また、血液、リンパ、エネルギーの循環が良くなり、自然治癒力が高まります。