子どものころの楽しい思い出、学生時代の愉快な仲間たち、新しい職場で新しい仕事に取り組んだ新入社員時代—-。誰にでも楽しい思い出はあるでしょう。こうした過去の良き時代を思い出すとき、私たちの頭はアルファ波の状態になるといいます。アルファ波は、脳の集中力が高まっている状態です。
集中力を高めるというと、どうしても、歯を食いしばっているような苦しい場面を思い浮かべがちです。でも、実は楽しかったときのことを想起するだけで、集中力をアップできるのです。
こうした集中法は、「イメージ法」「イメージ術」などとも呼ばれています。脳の中にあるポジティブな情報を引き出すことで、頭の中を活発にするアプローチです。実は人間にとって、イメージ上の体験と実際の体験が脳へ作用する力の大きさは、あまり大きな差がないとも言われます。すなわち、多くのイメージをつくりだして、その中にひたってしまえば、実体験したのと同じくらい脳が喜んでくれるということです。
この集中力アップ法は、時間と場所を選ばないというのが大きなメリットです。通勤や通学の電車の中でもできます。人の話し声や電車の音がうるさくても、懐かしい音楽をヘッドホンで聞いたりすれば、昔の良い思い出は簡単に思い浮かべられるでしょう。
こうしたプロセスを繰り返すことで、自分の脳をアルファ波に導くことが簡単にできるようになる可能性があります。