2026年3月19日から22日までの4日間、ニュージーランド北島ケリケリの「アースビレッジ」で、第1回「フォレスト・ヒーリング・フェスティバル」が開催されました。会場となったアースビレッジは、ニュージーランドの豊かな森に抱かれた滞在型コミュニティであり、自然との深いつながりを通して本来の自分に立ち返ることを目指す場です。フェスティバルは、意識の覚醒、自然とのつながり、人間性の向上をテーマに掲げ、「調和ある共生の世界をともに創る」ことを呼びかけました。
会場では、内なるエネルギーの回復を促すワークショップ、森林浴を取り入れたガイド付きウォーク、ヒーリングセッション、音楽パフォーマンス、エコフレンドリーなマーケット、フードエリア、キッズゾーンなど、多彩なプログラムが展開されました。森の中でのヒーリング体験に加え、サウナや天然炭酸泉も用意され、参加者は自然の中で心身をゆるめながら、自分自身の感覚を取り戻す時間を過ごしました。
「地球全体がひとつの村」というビジョンから生まれたアースビレッジ
アースビレッジは、脳教育の創始者である李承憲(イルチ・リー)氏がニュージーランド北島に育ててきた拠点です。プケティ・フォレスト近郊に位置する386エーカー(約156ヘクタール、約47万坪)の森に、宿泊施設、散策路、瞑想プラットフォーム、庭園などが整えられています。李承憲氏は、長年にわたり「世界中の人々が自然と出会い、自分自身と出会い、地球とつながる場所」を思い描き、10年以上かけてこの場を育ててきたと語っています。
この場所に込められているのは、単なるリトリート施設という以上のビジョンです。Earth Villageという名が示すように、地球全体をひとつの村として捉え、調和と共生、そして平和が息づく未来のモデルを具体化していく。その志が、今回のフェスティバル全体を貫いていました。
森の中で体験する「脳の覚醒」と「脳の統合」
今回のフェスティバルが印象的だったのは、自然の癒しを味わうだけで終わらず、脳教育の実践と結びついた体験の場になっていたことです。参加者は森の中での歩行、瞑想、ヒーリング、共同体験を通じて、自分の内面と静かにつながり直し、心をゼロポイントに戻していくような時間を過ごしました。
3日目の夜には、パフォーマンスとともに「グローバル・コレクティブ・メディテーション(集団瞑想)」が行われました。この場では、天神武芸芸術団のパフォーマンスによるアリラン(我理朗)気功のデモンストレーションも披露されました。アリラン気功は、体の動きと呼吸、意識を一致させながら生命力を引き出していく実践であり、脳教育が重視する「脳を目覚めさせ、体と心を統合する」感覚を、参加者が視覚的にも体感的にも受け取れるプログラムだったといえます。
李承憲氏はこの夜のスピーチで、「悟りとは学ぶものではない。準備のできた人に訪れるものだ」と語りました。さらに、それは「太陽の光のように、星の光のようにやってくる」と表現しています。知識を積み上げるだけでなく、自然と一体になりながら自らの内なる本質に触れること。そこに、このフェスティバルが脳教育の実践の場として持つ深い意味があったといえるでしょう。
境界を越えて集った「地球市民」のコミュニティ
このフェスティバルには、ニュージーランドをはじめ、台湾、イタリア、フランス、ドイツ、ラトビア、カナダ、ブラジル、ポルトガル、ルクセンブルク、イギリス、アメリカ、日本、トルコ、韓国など、15か国から人々が参加しました。また、開催準備の段階では、19か国から集まった81人の若者ボランティアが、グランピングテントの設営、エコ仕様のシャワーやトイレの整備、ステージや音響準備、モンゴルテントの設置などを担ったことも報告されています。
フェスティバルのオープニングでは、マオリの首長と部族のメンバーによるセレモニーが行われ、歌と踊りで参加者を迎えました。土地の精神を敬い、その場に集った人々が文化や国境を越えてひとつになる時間は、まさに「Earth Citizen(地球市民)」という理念を目に見えるかたちで示すものでした。
李承憲氏は開会の場で、「私たちの体は別々でも、心と魂はひとつだから、ここで出会えた」と語っています。異なる背景を持つ人々が、対立ではなくつながりを選び、地球というひとつの生命体の一部としてともに瞑想する。その光景は、脳教育が目指してきた地球市民コミュニティの具体的な姿として、多くの参加者の心に刻まれたのではないでしょうか。
健康・幸せ・平和をつなぐ新たな精神文明へ
フェスティバルの終盤には、日帰り参加者や宿泊参加者を合わせて約900人がアースビレッジに集いました。李承憲氏は、「一人で見る夢は小さいかもしれないが、みんなで見る夢は偉大なエネルギーを持っている」と語りました。そして、アースビレッジを「人類と地球に捧げる」と表現し、ここが世界中の人々にとって、幸せを回復し、自分自身と再会し、脳教育を体験する場になっていくことへの願いを示しています。
個人の健康と幸せは、社会の平和と切り離せません。自分の内側を整え、脳を活かし、自然とのつながりを回復していくことが、より大きな共生社会への一歩になる。今回のフォレスト・ヒーリング・フェスティバルは、その可能性をニュージーランドの森の中で具体的に示した4日間でした。脳教育が提案する「健康・幸せ・平和」は、理念にとどまるものではなく、体験を通して育まれる未来の文明の土台であることを、この場は静かに、そして力強く伝えていました。



