[教育]体を動かせば脳が発達する~10代の運動習慣は脳を発達させ、大人の運動習慣は脳を目覚めさせる

子どもの頃は夢中になって走り回った記憶がありますが、年を重ねるにつれ動きはだんだん鈍くなっていきます。
体のコンディションが良いと外部の刺激くらいは軽く思うけど、疲労が溜まったり、疲れていると小さな刺激にも感情は敏感になります。
感情(e+motion)は、動き(motion)が内在化されないで外に出る形ですが、動きと感情はコインの裏表のようなものです。 感情コントロールにおいて体に自信を持つことが重要な理由でもあります。

周りを見ると、本が好きな方は運動が苦手で、反対の場合は本に近寄らない傾向がよく見られます。数年前から日本でも体育時間がだんだん増えて、最近は学校のスポーツ活動も強化されています。運動を基盤とした学習は世界の教育の重要な流れです。

動物は、生まれてすぐ歩いたり、走ったり、少し経つと自分でエサを探し回るほど成長しますが、万物の霊長である人間は長い時間がたってから可能になります。一生懸命、自分で這いまわって、初めて立つことができ、立つようになると歩くことができ、歩けると走るようになります。自分でする動きを他人に依存して、そのチャンスを取られると、次の段階へ入る時、その分障害が生じます。動物は親の脳の機能の 80% 以上を持って生まれてきますが、人間は生まれた環境によって脳が発達する仕組みが本質的に違うからです。脳が発達して脳の柔軟性が高まる10代の頃に、運動習慣を作ることが大事な理由がここにあります。

脳は基本的に外部の刺激によって発達します。胎児の時から絶え間なく外部の刺激を受けながら、脳は複雑な神経回路を作っていきます。この世に生まれてからは、外部の刺激がさらに大きくなります。刺激があった分、発達速度が早いのは当然です。生まれたときは 400gに過ぎなかった胎児の脳が、12歳ごろになると約3~4倍に増えます。地球上の生命体の中で人間だけが持っている特徴です。

部屋を這い回ったり、ハイハイする赤ん坊の動きが脳の運動領域を発達させ、声に出して本を読みながら言葉を学ぶ時期には言語の領域が発達します。手につかめるものは何でもさわる動作などは、脳に多くの領域を持つ手のひらの様々な感覚を発達させます。すべてが脳とつながっているので、体をあちこち鍛えると、脳の該当領域が同時に発達していくのです。

一般の人々が脳に対して持っている誤った認識は、まず、脳をぐにゃぐにゃしたやわらかいものだと思っていること。次に、無意識に脳を体の器官の一つだと思っていることです。体で運動するというのは、体を元気にするというより脳の機能を発達させるという表現がより正確です。

脳の仕事は、基本的に外から入ってくる情報を認識することですが、外の代表的なものが「体」です。体に変化を与えれば脳が目覚めます。脳教育の基本プログラムである 「ブレイン体操」は脳と体の関係を理解して、身体調節能力を習慣化するという面で、人間の脳の発達機能とつながっています。

「動き(motion)」は動物と植物を区別する代表的な違いであり、生物種の進化的な側面で見ると万物の霊長である人間は、動きの多様性と複雑性、感情と行動の予測、そして知能の発達による思考を持つ動物です。動物の生命は動きから始まり、年をとればだんだん動きが鈍くなっていきます。そうして動きが止まったら、生が終わります。脳を目覚めさせる始まりは、動くことなのです。

あなたは今、どのくらい動いていますか?