[教育] IQ、百年の歴史が沈んだ理由は?

脳科学が、人間の知能研究に新しい方式で変化を与えたことより、もっと大きな変化は、これまでの世紀において、人間の脳の能力を説明する単一概念で適用されてきたIQ100年の歴史が沈んだことです。理由は単純です。IQでは、人間の無限で多様な知能を表現することが難しいからです。

# IQ 歴史が沈む、多重知能と EQ 出現

人間の脳の能力を、もう IQではなく新しい視点で見なければならない代表的なことが、まさにハーバード大学のハワード・ガードナー教授が発表した多重知能理論(MI: Multiple Intelligence)です。ガードナーは知能に対してとても違う見解を持っていましたが、脳損傷で苦しんでいるが芸術分野で天賦の才能を持った人々に対する彼の研究は、脳がいくらでも卓越になることができるという可能性を明かにしました。

1983年、出刊した彼の記念碑的な著書 『MI:個性を生かす多重知能の理論(Frames of Mind: The Multiple Intelligences)』でガードナーは7つの知能を提唱しています。音楽的知能、身体運動的知能、論理数学的知能、空間的知能、言語的知能、対人的知能、内省的知能です。

知能に対するこのような新しい概念は、教育界に大きな反響を起こし、だんだん広く受け入れられて、最近は知的能力が画一的や単一ではないという前提がほぼ常識になりました。その後、博物的知能が追加され、最近は実存知能を考慮しています。もっと根源的な質問ができる、動物とは違う人間の特別な能力に関するものです。

人間の脳の能力評価方式の変化はこれにとどまりません。IQが支配した観念に新しく、ターニングポイントを持ってきたのがまたありますが、1995年、ダニエル・ゴールマンDaniel Golemanが『EQこころの知能指数』という本が出てからです。ゴ-ルマンは 1990年にピーター・サロベイ Peter Saloveyとジョン・D・メイヤー John D.Mayerが発表した「心の知能」という論文を根拠にこの本を書きました。心の知能とは、自分への調節力と同時に自分の人間関係への調節力を意味します。

感性知能は私たちの脳のシステムの多くの次元を統合します。『脳と心の知能 : 新しい通察』で出るように、 IQが主導するシステムと自己調節力や人間関係の技術が左右するシステムは脳の中で別に作動します。

自己コントロール技術には 「認知的な無意識cognitive unconscious」が含まれますが、私たちが日々蓄積する、情報データに対する無意識的な管理を言います。例えば「私が付き合ってきた人々と比べて、この人は結婚相手にどうかな?」

または「今、職場をやめて他の所を調べようか?」といった質問に認知的な能力だけで答えると困るということです。

結局、人生で経験した多様な経験を全部引き出してこないといけないのです。理性的には 「その人は結婚相手ではない気がする」と判断しますが、他のすべての条件から離れて本音では 「私はその人が好き、結婚したい」と感じることもできます。
その時、私たちは自問します。どのような心の声を聞くべきなのか? 正解は、どちらもすべて聞かなければならないということです。断言はしにくいけれど、本能的に感じられる「感」も無視することができないからです。それがすなわち無意識が答えを与える方式だとゴ-ルマンは強調しています。

ゴ-ルマンは自分の本、『EQこころの知能指数』で脳と行動の研究を通して、IQが高い人々にどうして成功できない事柄が発生し、反対に IQが低い人がどうして予想外の成功をするのかについて強調します。

「私たちは、これまでの人生の中で、IQで測定される、すべて理性の次元に対することだけの知能の価値と重要性をあまりにも強調してきました」彼の主張を一言で要約すればこうです。「よくも悪くも、知性は感性によってうまくコントロールできなければ、無駄になる」

# ダニエル・ゴ-ルマン、東洋瞑想強調

注目すべきことは、ゴールマンが感情調節能力を育てる次元で東洋の瞑想(meditation)を強調したという点です。ゴールマンはハーバード医大予備課程の中、交換留学生としてインドへ行って古代アジア宗教の心理学と瞑想のトレーニングシステムを集中的に研究し、意思決定の過程でストレス刺激の調節に対しても研究した事があります。

初めて出版した本のタイトルも『瞑想体験の多様性』です。この本は数日後に『暝想する心』にタイトルを変えて再出版されました。ゴールマンは、瞑想を多角度で研究した大量の研究結果がすでに存在していますが、瞑想が私たちに与える大きな利点は私たちの意識が人体が回復状態にある時、エネルギーを取り戻してくれる 「副交感神経」状態に入っていくように誘導してくれると強調します。
21世紀に入って人類科学は、心のメカニズムが脳の作用から始まることを明らかにしました。 人間の脳が心臓や胃のような一つの生物学的な器官を超えて、感情と思考、集中と没頭、 想像と省察などの精神活動を担当するので、脳をどう理解して活用するのかといった認識の転換が重要だと見られています。脳教育で「人間の脳は生物学的な対象ではなく、変化と教育的な対象」であると強調する理由でもあります。

脳科学が明かした、人間の知能に対する新しい研究と多重知能、感性知能の出現は IQ 100年の歴史を沈ませ、人間の脳の能力評価のこのような変化は、逆に人間の脳が持つ多様性と根本価値に対する新しい認識を要求しています。今こそ脳教育時代の到来です。