真っすぐな気持ちを込め、訴え掛けた。
「人生というシナリオの中で、自分という役を精いっぱい演じていく」-。
持ち時間の7分間に、18年分の思いをぶつけた。
定時制・通信制の高校に通う生徒を対象とする生活体験発表大会。東京都内で11月に開かれた全国大会で、厚生労働大臣賞を受賞した会沢結衣(あいざわゆい)さん(18)。
中学校での不登校や高校中退を経験。通信制の翔洋学園への転入を転機に、市民劇団や校内ボランティアの活動を通して自信が芽生える過程を素直な言葉で表現した。
原稿はスマートフォンのメモに断片を書き留め、2カ月ほどでまとめた。校内選考を通過し、県大会で知事賞を獲得、全国大会に臨んだ。
この間、つらい時期を思い出し、涙があふれたこともある。過去を知る人たちに今の自分を知られるのは抵抗感が残る。「乗り越えるにはもう少し時間がかかりそう」。それでもやり遂げ、「多少は強くなったのかな」。
短大進学が決まり、来春には新生活が始まる。将来はフリースクールで、小さなきっかけでつまずいた子どもたちの手助けをしたいと思い描く。それが発表のタイトル「私のシナリオ」だ。
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