[健康] 魚から肉へのシフトと健康

水産庁の調査によると、日本人1人あたりの魚介類の摂取量が2001年をピークに減少傾向にあります。2016年度時点の摂取量は、1960年代前半とほぼ同じ水準だといいます。その一方で、肉類の摂取量は増え続けています。魚から肉へのシフトが顕著になっているということです。

世代別で見ても、子供から高齢者まであらゆる世代で魚介類の減少及び肉類の増加という傾向が見られます。その背景にあるのは、ファーストフードや持ち帰り惣菜などの普及です。外食産業はハンバーガー店や牛丼店などの「肉」系が優位にあり、外食が増えると、食事が肉に偏りやすくなるのです。

魚介類は昔から日本人の重要な栄養源です。健康にとって大切な成分が多く含まれています。その一つがEPA。EPAには血液をサラサラにして、血流をスムーズにする働きがあると言われています。

グリーンランドなどの氷雪地帯に住む先住民族イヌイットは出血すると血が止まりにくい体質があると言われていました。それは血が固まりにくいからであり、逆にいえば血栓ができにくいことを意味しています。

実際、イヌイットは心筋梗塞など「血栓」が原因で起こる病気にかかる率がとても低かったそうです。EPAやDHAなどの多価不飽和脂肪酸を多量に含むオットセイやアザラシ、青魚などを主食にしていたことが理由だと考えられています。

ただ、近年はイヌイットの社会にも都市化の波が押し寄せ、スーパーやファーストフードで肉を食べる人たちが増えました。それにより、心筋梗塞などの病気も急増したといいます。

魚料理を見直してみては?