国連広報局(DPI)登録NGOの国際脳教育協会(会長 李承憲)と韓国政府公認ブレイントレーナー協会(会長 チョン・セイル)は11日、韓国ソウルにある中小企業中央会グランドホールで「2018脳教育国際フォーラム」を開催しました。
国際脳教育融合センターが主管したこのフォーラムには、主催国韓国をはじめ、アメリカ、イギリス、中国、日本など5カ国の脳教育の代表機関の専門家が参加し、教育と脳開発の分野に関心のある市民約300人が参加しました。
フォーラムに先立ち、イギリスのパワーブレインウェルビーイングのルーシー・リンチ氏が、脳を目覚めさせて活力で満たす脳波振動とブレイン体操を参加者に指導しました。続いて、脳教育を導入したアメリカ・ニューメキシコ州とニューヨーク、エルサルバドルの教育現場を収めた映像が紹介されました。アメリカ・ニューメキシコ州が公教育での脳教育の成果に支えられ、2017年にニューメキシコ州議会において満場一致で「脳教育の日」制定が可決された事例、ニューヨークブロンクス地区の公立学校では、放課後クラスに導入した脳教育での変化の事例、中米エルサルバドルで公教育全体に広がる脳教育の事例などが紹介されました。
この日、ブレイントレーナー協会のチョン・セイル会長は歓迎の辞を兼ねた基調講演で、「今の時代の問題点は、世界に広まっている生命軽視の風潮」と指摘し、「生命を尊重し、敬畏する思想をもとに、脳教育という実質的な訓練を通じて社会を浄化し発展させ、文化を発展させ、生命の価値を高められるというのはすごいことだ」と述べました。また、「脳教育の創始者である李承憲グローバルサイバー大学学長が中米エルサルバドルの公教育を変化させた功労で政府最高賞を受賞したのは象徴的なこと」と述べました。
続いて「21世紀のメンタル産業、脳教育瞑想」をテーマにした第1部の専門家による発表では、国際脳教育総合大学院大学ヤン・ヒョンジョン脳教育科教授、韓国を代表する瞑想企業ダンワールドのキム・スンジュン運営室長、イギリス・パワーブレインウェルビーイングのルーシー・リンチ取締役、日本で脳教育トレーニングを行っているイルチブレインヨガのナムドヘ教育チーム長が発表しました。
ヤン・ヒョンジョン教授は「グローバル瞑想トレンド及び脳波振動瞑想に関する国際研究成果」をテーマに、海外と韓国内で発表された瞑想の効果の研究事例とグローバル企業の瞑想導入事例を発表しました。ヤン教授は、「現在、Googleをはじめとする多国籍企業では、瞑想に注目しています。Googleは、2007年に瞑想プログラムを導入して、心の知能指数、自信、業務能力、リーダーシップが向上し、スティーブ・ジョブズもインスピレーションを得て洞察力を育てるツールとして瞑想を活用しました」と述べました。
ヤン教授は「2015年と2016年の研究の結果、瞑想の経験がない実験群が8週間、10分の映像を見ながら脳教育の瞑想トレーニングを行った結果、問題解決力が向上し、憂うつ感、不安、ストレスが減少し、ポジティブな感情が向上したことが確認された」とし、簡単な短い瞑想だけでもすぐに効果が現れる脳教育瞑想を紹介しました。また、血中一酸化窒素、免疫細胞が分泌するサイトカインIL-10など、脳科学的例示によって瞑想のさらなる可能性を提示しました。ヤン教授は最後に「私たちの『生』は、DNAの結果ではなく、私たちの選択の結果」と強調しました。
「世界を変化させる脳教育の代表瞑想」をテーマにした発表で、キム・スンジュン運営室長は、誰でも簡単に心の安定を取り戻し、脳と情報を活用してストレスに強い体質になることを脳教育瞑想の効果に挙げ、「様々な年齢層の、健康、幸せ、成功、完成など多様なニーズを解決できるトータルソリューション」と説明しました。
イギリス・パワーブレインウェルビーイングのルーシー・リンチ取締役は、「メンタルヘルス時代、ヨーロッパで起こっている健康パラダイムの変化」をテーマに発表しました。彼女は弁護士としてストレスの中で暮らしていた自分が脳教育瞑想で変化した経験をもとに、「人々が感じる痛みや病気は、ほとんど自分の感情から来ており、人生とはつまり感情の産物です。しかし、脳教育では、感情が私たちをコントロールするのではなく、私たちが感情をコントロールできるとしている」とし、「脳教育は個人に役立つだけでなく、幅広く社会共同体にも広まっている」と述べました。
また、「イギリス政府が発表したウェルビーイング統計を見ると、16歳以上の成人28%が長期的にメンタルヘルスを守れず、70%が自分の人生に満足できず、20%が不安とうつを経験しています。また、寿命は男性79歳、女性83歳ですが、16年~20年は健康でない状態で苦しんでいる」とし、「脳教育は、健康で独立した生活のために心身の活用度を100%まで引き上げてくれる」と脳教育導入の必要性を述べました。
日本のナムドヘ教育チーム長は「日本における脳教育瞑想の展開」をテーマにした発表で、「日本には長年の瞑想の伝統があり、坐禅で知られています。しかし、作法や呼吸法などが決められていて、難しく感じることもあります。一方、脳教育瞑想は、簡単で効果があると日本人も驚きます。生命の源である気エネルギーを体験し、自らを省察できる自己認識力が高まり、他人をよくしてあげようという利他の心が育つ」と述べました。また、「イルチブレインヨガは、厚生労働省のスマートライフプロジェクトにも参加しており、日本の社会が直面しているストレスや不安などの社会課題の解決に脳教育瞑想が役立つ」と述べました。
第2部のセッションは「第4次産業革命時代、未来教育」をテーマにアメリカ・ECOのスティーブ・キム取締役、アメリカ・ブレインパワーウェルネスプログラムディレクターのデイブ・ビル取締役、韓国BR脳教育のイ・ヒョンジョン運営理事、中国のユダのジュリー・メオCEO 、イギリス・パワーブレインウェルビーイングのセレネイド・ノーマン講師が発表しました。
アメリカ・ECOのスティーブ・キム取締役は、21世紀のグローバルリーダーシップ、脳教育の未来価値」をテーマに講演しました。彼は亀の鼻からプラスチックストローを引っ張り出す3分の映像を事例として「地球環境のためにプラスチックの使用を控えなければならないことを誰もが知っていたが、この短い映像が国際的なムーブメントを展開して、具体的なアクションに導いた」と例示しました。
彼は「持続可能な地球の未来を誰もが心配してはいるが、利益や政治性を手放して、地球環境を選択する国や政治家や企業があるだろうか?」という質問を投げかけ、「地球環境を回復するには、政策や知識的な情報ではなく、人間の脳がもつ最も重要な資質である共感能力を回復したときに、自分の人生を変え、世界を変える方向に転換できる」と強調しました。また、「脳教育で共感能力を回復し、人生の指標を変え、行動することによって持続可能で健康・幸せな地球づくりに寄与することが、地球市民ムーブメントの方向」と伝えました。
アメリカで脳教育を普及しているブレインパワーウェルネスプログラムのディレクターであるデイブ・ビル取締役は「脳教育の導入10年、ニューヨークの学校の変化」をテーマに、アメリカの公教育での脳教育普及の事例を発表しました。彼はニューヨーク市サウスブロンクスのハーレムで2か月間、脳教育授業によって多動性などの様々な問題行動が減った事例と脳教育瞑想とアメリカでよく知られている他の瞑想プログラムを適用した臨床事例を伝えました。彼は「アメリカでよく知られている他の瞑想は、行動の問題の改善効果が26%なのに対し、脳教育の授業の後、52%の改善効果が現れました。脳教育の授業が共感能力をベースとしているため」と分析し、「2020年までにニューヨーク市110万人の生徒に脳教育瞑想を体験させ、2020年に開催される国際フォーラムで、その結果を発表する」とビジョンを提示しました。
韓国BR脳教育のイ・ヒョンジョン運営理事の「第4次産業革命時代、世界を変える子供たち」をテーマに、韓国の脳教育青少年の変化事例を伝えました。イ運営理事は「第4次産業革命を希望的に展望したときのポイントは、人間を中心に現実と仮想が融合した社会になること」とし、「人間に本来備わっている特有の能力をどのように開発するかに対する答えは、脳にある」とし、「脳をよく使ってうまく活用する子供たちが世界を変えるであろうし、実際に変えている。脳活用を通じて、自己価値を知り、自分とコミュニケーションする術を知り、他人とコミュニケーションし、地球市民意識を持つ自己主導型の人間性英才が未来社会の求める人材」と強調しました。
中国のユダのジュリー・メオCEOは「中国児童青少年の教育市場における脳教育の価値」をテーマに、中国の教育の現実と課題、中国政府が提示する新たな教育政策などを説明し、中国での脳教育市場拡大の可能性を提示しました。
最後に、イギリスのパワーブレインウェルビーイングのセレネイド・ノーマン講師の「イギリスでの脳教育講師活動とビジョン」の発表がありました。彼女は「多様で複雑な慢性疾患に苦しむ子供たちを助けるために医療スタッフと一緒にチームを構成して協力する仕事をしながら子供たちの肉体的苦痛を和らげても子供たちの心の痛みや生活の質が改善されないことを経験しました。そして脳教育を通じて心理メンターとしての役割をする機会をつかんだ」とし、本人が指導した具体的な脳教育の事例を伝えました。彼女は「今、イギリスのロンドンで活動していますが、私は、マレーシア出身です。今後は母国に帰って母国の子供たちに脳教育トレーニングをさせ、親を変化させ、社会に良い影響を与えるドミノ効果を起こしたい」と自分の夢を明らかにしました。