「病院に行っても悪いところが発見できなかった」「もう何年も痛みが続いている」という慢性痛患者に、薬や手術に頼らないセルフケアを説く「痛みの専門家」伊藤和憲先生。『慢性痛は自分で治せる!』を刊行した、伊藤先生に「あなたの痛みが治らない理由」を聞く。
「痛み」にとって、ストレスは大敵です。なぜなら、ストレスの蓄積が痛みを悪化させてしまうから。そのためにも、毎日を快適に心地よく過ごせるようなストレスをためない考え方、つまりは肯定的なイメージを持つ考え方を意識し、心身の安定化を図ることが大切です。
私たちが毎日の生活で生じる「気持ち(感情)」や様々な「振る舞い(行動)」は、考え方次第でよい影響も悪い影響も出てしまうのです。だからこそ、何事もポジティブに考えることが大切なのです。
しかし、そう頭では理解していても否定的なイメージが湧いてきたなら、それ以上考えずに、そのままにしておくこと。考えても、すぐに解決方法が出てくるとは限りません。それでも、そのままにできない場合は、否定的なイメージを「川を流れる葉っぱに乗せて流す」ところを想像し、さらに悪い方向へと考えがいかない練習をしてください。否定的なイメージを考えないようにすることは難しいので、考えてしまっても放っておくことがなによりも大切です。
また、苦痛な考えばかりが出てきてしまうのなら、心を落ち着かせる方法として、瞑想やヨガ、呼吸法を取り入れてみるのもおすすめです。瞑想による精神統一や、ヨガ独自のポーズ、呼吸法などは、意識を体に着目することで心身のバランスを整えることができ、週1回、60〜120分行なうことで、痛みが改善したという報告もあります。
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