日本人について、慎重で思慮深く、真面目で、無謀な挑戦をしない、という類型が語られることがあります。私もそのように語ってきたという自覚があります。
ただ、こうした性質は生まれつきのものであると同時に、ある程度は後天的に影響を与える要素があることが知られてもいます。
たとえば、子育てについて書かれた本などには、「褒めて育てる」「子どもに自信をつけさせるにはとにかく褒める」「それがその子どもの成功を約束する」というような内容が必ずと言っていいほど載っているでしょう。
もしかしたら、すこし年齢が上の世代になると「厳しく躾けることが重要」という考え方をもとに教育された方もいらっしゃるかもしれませんが、最近の教育の基本方針は、そうした厳しい教育とはまったく逆の方向を行っているようです。
<中略>
でも、このやり方に「一度も違和感を持ったことがない」という方は、意外と少数派なのではないでしょうか? たまにはお小言を言ったほうがいいんじゃないの……? 本当にいつも手放しで褒めてばかりでいいの……? あとになって「本当は褒めるだけの教育はダメでした」っていうことがわかったらどうしたらいいの……?
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