[社会・文化] 人生100年時代

政府は「人生100年時代構想会議」を立ち上げました。9月に第一回目の会合を開く予定です。

この会議は、「人生100年」の時代に備えて、今よりも長く仕事ができる社会をつくることなどが目的です。安倍首相を議長とし、厚生労働相や文部科学相などの関係閣僚や経済団体、教育関係者らがメンバーとなります。

中高年やシニア層の人たちに「学び直し」の機会を提供し、多様な雇用の機会を設けたり、高齢者への給付に偏っている社会保障制度を見直し、より幅広い世代が恩恵を受けられる制度を考える――といったことがテーマになります。

人生100年の時代の到来は、少しずつ現実味を帯びています。厚生労働省の簡易生命表によると、2016年時点の日本人の平均寿命は男性で80.98歳、女性で87.14歳となっており、いずれも過去最高を更新しています。

1960年の平均寿命が男性で65.32歳、女性70.19だったことを考えると、「人生100年」は絵空事とは言えないでしょう。

「人生100年」に対応した社会をつくるうえで、避けて通れないのが、健康寿命という視点です。平均寿命がのびても、健康寿命が長くならなければ、明るい長寿社会を築くことはできません。社会全体としても、平均寿命と健康寿命とのギャップが大きければ大きいほど、介護などの負担が増大し、若い世代にしわ寄せが来ます。

公的年金などの社会保障制度も、健康寿命をのばすとともに、仕事からリアイアする年齢ものばすことで維持が可能となります。つまり、社会保障制度に「支えられる人」を減らし、「支える人」をいかに増やすのか、ということです。

厚生労働省では「スマート・ライフ・プロジェクト」と称して、「健康寿命をのばしましょう」をスローガンに、国民全体が人生の最後まで元気に健康で楽しく毎日が送れることを目標とした国民運動を展開しています。「適度な運動」「適切な食生活」「禁煙」「健診・検診の受診」という4つの分野を中心に、具体的なアクションや日々の習慣の改善を呼びかけています。

また、健康づくりについて優れた取組を行う企業などを審査・表彰する「健康寿命をのばそう!アワード」を毎年行っています。また、「スマートライフフェスタ」など、日ごろの運動不足解消や健康意識の向上を目的としたイベントも開催し、生活習慣病の予防を呼びかけています。