[教育] メディアコンテンツ分野のBTSを育成したい~グローバルサイバー大学

[インタビュー] ソン・エギョン教授(グローバルサイバー大学メディアコンテンツ創作学科長)


ソン・エギョン教授(グローバルサイバー大学メディアコンテンツ創作学科長)[写真=Kスピリット、キム・キョンア記者]

 

ブログをはじめ、Twitter、Facebook、Instagramなどのソーシャルメディア(SNS)によって1億総メディア時代になり、個人メディア発信者として活動する人も増えています。このような傾向により、様々な機関で「個人メディア発信者」育成教育を開設・強化しています。

大学においても、こうした流れを反映して学科を改編しています。海外で「BTS大学」と知られるグローバルサイバー大学(学長 一指 李承憲、イ・スンホン)は、従来の融合コンテンツ学科を「メディアコンテンツ創作学科」に改編しました。この改編を主導したメディアコンテンツ創作学科長のソン・エギョン教授(文化芸術学博士)に、お話を伺いました。

世間でBTSが話題になっていたこともあり、自然にBTSの話から始まりました。

グローバルサイバー大学は、BTSメンバーのうち6人やその他の多くの芸能人が在学中または卒業した大学ですね。グローバルサイバー大学出身のBTSメンバーが世界的に人気を得ています。韓流が世界で流行していることについて、どうお考えですか?

はい、本当に未だに不思議だしうれしいです。在学していたときも努力家だったBTSは、人間性にも優れ、世界に善良な影響を絶えず与えています。先ほどおっしゃったように、最近は韓流が異常なほどに世界でブームになっています。映画、ドラマ、K-POP、ファッション、料理、コスメなど、韓国文化全般にわたって世界各国から関心を集めています。

こうした現象はある日突然、偶然に起こったことではなく、文化コンテンツという用語が注目され始めた2000年代の中頃から学校と企業、政府が協力し、未来産業の発展のために地道に努力してきた結果が、ようやく実を結び始めたのだと私は思います。

すでに海外で、ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」のあたりから韓国ドラマによって韓国文化のファン層が広がっていた上に、歌手PSYの「江南スタイル」を皮切りに、BTS、BLACKPINKなど、K-POPのグローバル進出が韓流への好感度を一層高めました。こうした中、Netflixのドラマ「イカゲーム」に続き、「地獄が呼んでいる」が話題を呼び、世界中に巻き起こっている韓流ブームは、まだ始まったばかりと言っても過言ではありません。

こうした韓流を強化し持続するために、大学の役割と言いますか、大学では何をすべきだとお考えですか?

大学の役割は、何といっても教育による人材育成です。韓流のような巨大な水が入ってきたときに、櫓を漕がないといけないと思います。グローバルサイバー大学は、開学してから現在まで海外と協力して教育事業を進めてきました。エルサルバドルの脳教育支援事業に始まり、最近はインドのヒンドゥスタン工科大学、インドネシアのビヌス大学との交流(単位互換)など、教育の韓流をリードする大学として、すでに立場を固めています。


メディアコンテンツ創作学科とソン・エギョン学科長は、最近付加価値の高いコンテンツ創作について学生の需要と依頼が急増していると語った。[写真=Kスピリット、キム・キョンア記者]

 

今、世界で注目を浴びている韓流を機に、グローバルサイバー大学は、脳教育に特化したプログラムだけでなく、韓国文化や韓国語教育科目など、海外の学生を誘致するための本格的なグローバル教育課程を拡大・運営する準備が整いました。

海外で「BTSの母校」と知られるグローバルサイバー大学が今後、韓流の教育分野で世界を驚かせるのではないかと期待しています。

教育環境の変化に迅速に対応しているようですね。今回、融合コンテンツ学科をメディアコンテンツ創作学科に改編したのも、その一例なのですね。韓流とはどのような関連があるのですか?

まず、最近付加価値の高いコンテンツ創作への学生の需要と要望が急増しています。本格的に職業として考える人が増えたのです。副業で活動する人がメディアコンテンツの創作に大きな関心を示しています。これを重視して教育課程に反映したのがメディアコンテンツ学科に改編した主な理由です。

先に述べたように、韓流は韓国の大衆文化コンテンツを中心に急速に広まっています。こうした普及が起こった裏には、デジタルメディア環境の発達も関連しています。世界の時価総額ランキングトップ10に入る企業には、1位のマイクロソフト社をはじめとして、アップル、アルファベット(グーグル)、アマゾン、メタ(旧称フェイスブック)など、屈指のIT企業やコンテンツプラットフォーム企業が占めていますが、この示唆するところが未来産業の方向性を語っていると思います。

言い換えると、こうした未来産業であるメディアコンテンツ分野をリードできる人材を育成するためにメディアコンテンツ創作学科に改編したのです。

メディアコンテンツで起業の機会をうかがう人が増えたんですね。メディアコンテンツ創作学科に改編して、変わったことは?どんなことを学べますか?

未来産業の中心価値は、想像力と創意力、そしてメディアとの融合です。メディアコンテンツ創作学科では、この部分を強調して従来の融合コンテンツ学科にあった創作教育課程を強化したことが最も大きく変わった点と言えます。今後、メディアコンテンツ創作学科は、グローバル韓流をリードできる創作専門人材の育成に特化した学科に生まれ変わります。言い換えると、メディアコンテンツ創作学科では、人文学にもとづいた融合・複合時代をリードする実務中心の人材育成を目標に、未来の文化コンテンツ産業の中核を担うコンテンツ創作者を育成します。


ソン・エギョン学科長は、グローバルサイバー大学メディアコンテンツ創作学科を卒業した学生が制作したコンテンツがBTSのように世界に善良な影響を与えることを願っている。[写真=Kスピリット、キム・キョンア記者]

大学では、技術的なことだけでなく「デジタル市民」「デジタル倫理」「デジタル著作権」などのメディアコンテンツを制作するときに必ず知っておくべき内容を学びます。そのため、グローバルサイバー大学の学生が制作したコンテンツがBTSのように世界に善良な影響を与えることを願っています。

グローバルサイバー大学で勉強した学生がメディアコンテンツを創作するなら、大学の建学理念が溶け込んだコンテンツでなければならないと思っています。世界のためになり、世界に役立つコンテンツです。(グローバルサイバー大学の建学理念は「弘益人間=世のためになる人」です)

学生が大学でしっかり学べば、デジタルの世界でもいいコンテンツがたくさん生まれると思います。夢は「メディアコンテンツ分野のBTS」を育成することです。

目を引く刺激的なコンテンツではなく、世界のためになるいいコンテンツ制作というのがいいですね。学科内にトラックという特化課程がありますが、このようにした理由は?

「メディアコンテンツ創作学科」という学科名からもわかるように、メディアをベースとしたコンテンツ創作という分野は、コアとなる「キラーコンテンツ」を発掘、企画でき、対象に合わせておもしろく役立つストーリーテリングができ、制作だけでなく広報・マーケティングもできなければならない、マルチな能力が要求されます。そのため、こうした教育内容をより深く提供するため、コンテンツ制作トラック、文化ストーリーテリングトラック、個人クリエイタートラック、文化企画トラックなどを運営しています。

コンテンツ創作という点においては大きな差がないように思えますが、学科内のコンテンツ制作トラックと個人クリエイタートラックはどのような違いがありますか?

コンテンツ制作トラックは言葉通り技術中心の実用的な学問課程と思っていただいたらいいでしょう。デジタルをはじめ、オフラインメディア環境にも適したコンテンツで、加工生産できる、実質的な産出物を制作できる教育課程です。コンテンツ制作トラックを修了すると、ウェブデザイナー、映像クリエイター、出版編集者、広告クリエイターなどとして活躍できます。一方、個人クリエイタートラック課程は、コンテンツの企画・制作からSNSマーケティング広報分野まで個人メディア起業のプロセス全般にわたって専門教育課程を学習することができます。

確かな実力を身につけるには、実務教育が大事だと思います。学生たちの実務教育はどのように行われますか?

まず、サイバー大学の特性を活かして、オンラインの形態で教育課程を受講すると同時に、現場で活動している文化コンテンツ分野の様々な専門家が行っているオンライン及びリアルの特別講義で実務教育を並行しています。また、一般の大学と一緒にサークルやスタディミーティングを構成し、事例研究や実習を行うこともあります。特に、在学生や同窓生の中には、実際にその分野のプロがいて、メンターや諮問委員としても活動して学生をサポートしてくれています。

新型コロナウイルスの影響で、一般の大学もオンライン教育に切り替えています。今後、オンライン教育が増えると見込まれますが、サイバー大学としてはチャンスでもあり脅威の要素にもなるでしょう。サイバー大学の未来をどうお考えですか?また、どんな準備をしていらっしゃいますか?

新型コロナの影響で、一般の大学でも遠隔教育が必須となり、サイバー大学としての立場や特性が色あせたという一面は確かにあります。しかし、グローバルサイバー大学は今後、長期的な側面で一般の大学とも競争力のある特性化を目指す方向へ進んでいきます。

K-POPだけでなく韓国文化そのものが注目を集めている、この機会を生かして、メディアコンテンツ創作学科では、連携専攻であるグローバル韓流コンテンツへのビジネスモデルを発掘、開発できる才能を育てようとしています。英語版の韓国語教育科目と韓国の大衆文化教育課程を企画しています。

グローバルサイバー大学が世界で韓国を代表する大学になれるよう、応援をお願いします。

お忙しい中、長時間のインタビューに応じてくださり、ありがとうございました。メディアコンテンツ創作においても、BTSの誕生を期待しています。