[社会・文化] 禅はひとつ先の未来を予言するか

現在、アメリカからやってきた「マインドフルネス」 という、心身を整える方法が流行している。これはもともと禅に由来したものなのだが、禅がZENと翻訳されて世界に紹介され、逆輸入されているにもかかわらず、日本人の私は禅についてよく知らない。しかし、これは大方の人々に共通することではないだろうか。

禅の流行は、世界的な潮流のひとつなのである。禅的な思想がこの時代に息を吹き返したのは、偶然ではないように思える。行きすぎた資本主義による極端な貧富の差、ネットから24時間休みなくあふれ出す情報にさらされることによる精神的疲弊、二酸化炭素排出による気候変動への危機感など、「もっと豊かに」「もっと多くを」という欲望が行きすぎてしまった社会において、世界中が、資本主義経済に希望を見いだせなくなり、「その先」を模索している。その解決方法のひとつとして、欲を手放し、必要最小限のスペースさえあれば生きていけることを示す禅に、物質社会からの幸福な退却方法を求める人々がいるのは、なるほど自然の流れであるようにも見える。

「禅は、私たちの身体が自然の一部であることに気づくための作法です。禅の生活をしていれば、われわれの身体は余計なものを手放して、限りなく自然本来の姿に近づいていく。それが楽しくないはずはありません。苦行のように思われますが、坐禅は『安楽の法門』 といって、実は最も楽な姿勢なんですよ」

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禅はひとつ先の未来を予言するか(T JAPAN)
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