脳教育瞑想で「眠り」が改善~ロンドン大などの研究

英国ロンドン大学と韓国脳科学研究院が共同で行った研究によると、脳教育の瞑想は、一般的なヨガと比べ、睡眠の質を改善するのに役立つようです。また、脳教育瞑想のほうが、疲労感の減少につながりやすいとの結果が出ました。

研究実験では、健康な31名を無作為に「脳教育瞑想」を行うグループと、「ヨガ」を行うグループに分けました。脳教育瞑想とヨガの違いは、脳教育瞑想には、頭、首、体にリズムのある動きが使われるということです。これに対して、一般的なヨガは、リズム的な動きの要素がない場合もあり、今回の実験でも、リズム運動のないヨガが選ばれました。本実験ではこれを「コントロールヨガ」と呼んでいます。

実験では、この2つのグループがそれぞれ与えられたレッスンをする前と後でどのような変化があらわれるかを調べました。具体的には、気分、睡眠、心の状態、健康、ウェルビーイングといった項目です。レッスンの長さは、1回75分。これを8~12週行いました。

脳教育瞑想とコントロールヨガでは、いずれも、憂うつな気分が改善されたり、精神的な活力が与えられたりする傾向が見られました。このほかにも、心の緊張がとけるなど、メンタル面の状態にポジティブな変化が見られました。

両者の違いが出たのは、睡眠に関する点です。脳教育瞑想はコントロールヨガに比べ、全般的に睡眠に関して大きなメリットが確認されました。具体的には、睡眠の深さや持続時間でプラスの変化が出ました。このほか、疲労感の改善でもポジティブな影響が示されました。

脳教育瞑想とコントロールヨガで差が出た理由については、今後のさらなる研究が待たれます。研究チームでは、脳教育瞑想プログラムの「振動」や「止感」といった特徴に注目しています。止感とは、エネルギーを感じることで感情と思考を止めるトレーニングです。振動とは、頭や体をゆらゆらと揺らすことで、脳波を安定させ、ネガティブな感情などを取り除いていくトレーニングです。

[出処] ‘A randomized controlled trial of the effects of brain wave vibration training on mood and well-being’, Complement Integr Med, pp.223~232, 2014
2012年『eCAM』掲載