[教育] 日本のオルタナティブスクール

日本には多数のオルタナティブスクールがあります。NPO法人「フリースクール全国ネットワーク」(略称フリネット)のホームページによると、全国の70以上のスクールがフリネットに加盟しています。別の団体であるNPO法人「日本フリースクール協会」の会員は、33スクールとなっています。このほかにも、全国各地に様々なオルタナティブスクールが存在しています。

 

鳥取県智頭町の森の中にある「新田サドベリースクール」は、子供たちの自主性を尊重した教育を目指すデモクラティック・スクールです。対象年齢は6歳〜18歳。米国マサチューセッツ州のサドベリー・バレー・スクールをモデルにしています。米サドベリー・バレー・スクールは生徒とスタッフが共同で学校のルールを決めることを特徴とする画期的な学校で、子供たちの自主性が重んじられています。日本の新田サドベリースクールでも「先生・カリキュラム・テスト・評価のない学校」として、子供たちが自らの好奇心に沿った遊びや体験から学べます。

 

兵庫県市川町のデモクラティック・スクール「まっくろくろすけ」は、日本で初めて設立されたサドベリータイプのスクールです。対象年齢は、4歳から18歳。「既存の学校にものたりなさ、疑問をおもちの方々に、子どもの潜在能力を損ねず、学習だけでなく心も体も健やかに育ってほしい、そのための成長の場」(ホームページより)と位置付けています。

 

NPO法人「東京シューレ」は、不登校の子供や学校外で学びたい子供たちのために、フリースクールやホームエデュケーションなどを展開しています。設立は1985年。東京シューレのフリースクールでは、学習プログラムは学生たちが参画してつくることを主体としており、学生とスタッフのミーティングで、どんな力を養いたいか、どんな時間がほしいかなどの意見やアイデアを話し合って決めます。希望が1人の場合は個人学習となり、2人以上になれば授業もしくは講座を開設します。

 

今年4月に設立された「日本ベンジャミン人間性英才学校」は、脳教育をベースとした体験型人間性教育課程のオルタナティブスクールです。「テスト・成績表・宿題・教科授業・校舎」の5つがないのが特徴で、生徒は1年課程を通して自分自身を見つめ直し、自分の本当の夢を探していきます。担任とメンターのサポートを受けながら生徒本人が企画・運営・完成させる自己主導型プロジェクトや社会の中での様々な体験活動を行い、人間性リーダーへと成長していきます。

 

このほか、子供たちに居場所を提供することを主な目的とするフリースペースや補習塾、通信制高校の「サポート校」、高卒認定試験(旧大検)の取得を支援する「高卒認定予備校」などのオルタナティブスクールがあります。

 

これからも、日本で様々なオルタナティブスクールが登場し、未来を担う若者が育っていくことが期待されます。