[教育]子どもの自己肯定感を高めるには?

子どもが健やかに育つキーワードの一つは「自己肯定感」だと言われます。自己肯定感とは「自分は生きている価値がある」という自信です。最近は「自己肯定感は心の土台」とも言われています。

近年は、文部科学省も自己肯定感の大切さを強調しています。しかし、子どもの心と向き合っている人たちは、もっと以前から自己肯定感に注目し、重視していました。「どうせ自分はダメだ」と思い悩んでいる子に、勉強や規範を教え込もうとしても、うまく身につかない場合が多いという体験がよく語られていました。

自己肯定感は、自分の力で成功した体験を通して育つといいます。わがままを認めたり、大人の指図でやらせたりするのとは違うので、線引きが難しいです。だからこそ親だけに任せきりにせず、学校や地域などで子どもが多くの大人とかかわりながら、自己肯定感をはぐくめるような取り組みが重要だといえます。「最近の子は…」と批判するだけでは、解決にはつながりません。

自己肯定感を高めるうえで大切なことの一つは、自分の意思や感情を、自分の言葉で上手に表現する場を与えてあげることです。著書『10代からの子育てハッピーアドバイス』などで有名な精神科医の明橋大二さんは親や教師が10代の子どもに接する際の「10カ条」を提案しています。それによると、「どうして○○しないのか」と否定的にとらえる言葉は禁句。指示や命令、干渉をやめ、子どもの良さを認めることなどを挙げています。