文部科学省は、知識を詰め込む学習より、子供が自ら課題を見つけ、学び、考え、問題を解決するような「生きる力」を身につけることができる学習への転換を目指しています。生きる力を育成するうえでカギとなるのが、「主体的・対話的で深い学び」の実現だとされます。
今年3月に公示された新しい学習指導要領では「生き抜く力」を育むために、「主体的・対話的で深い学び」が大きなテーマに掲げられました。具体的には「生きて働く“知識・技能”の習得」「未知の状況にも対応できる“思考力・判断力・表現力等”の育成」「学びを人生や社会に活かそうとする“学びに向かう力・人間性”の育成」の3本の柱が明記されています。
「主体的・対話的で深い学び」は、学習指導要領において小学校から高校まで一貫した重要テーマとなっており、小学校の要領の総則では、「単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら、児童の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行う」としています。
主体的・対話的な学習とは、形式的に対話を取り入れるだけでなく、子供たちそれぞれの興味や関心をもとに、一人一人の個性に応じた多様で質の高い学びを引き出すことです。どのような資質・能力を育むかという観点をふまえ、学習の在り方そのものを問い直していこうというものです。
脳教育でも、主体的・対話的な学びが重視されており、脳との対話によって思考力や創造力などの生きる力を育てます。脳教育ではよく「脳に聞いてみて」と子供に促しますが、これは、子供が自分で考える時間を与えるという意味です。
一般に、塾などでは、講師が流暢に説明し、要点まで整理してくれます。子供は知識を脳に放り込むだけで、それを自分で整理したりはしません。現代の子供たちの多くはただ与えられた通りに入力するよう慣らされており、思考のプロセスが抜けがちです。
脳教育では、考えるテーマを投げかけ、子供に問題を解決させることによって、自分で主体的に考え、行動する力を高めていきます。自分で整理する過程があると、自分の知識になり、実力がつきます。そして、思考力、理解力、応用力が育っていくのです。