[教育]授業中の脳、どんな感じ? 三浦学苑高で全国初の実証実験

三浦学苑高校(横須賀市衣笠栄町)と東京大学大学院は2019年度から、授業中に生徒の脳の活動の変化を測定する実証実験を行う。生徒と教師の額に装置を着けて授業を実施。生徒一人一人に最適な学習支援を行うための技術開発に役立てるのが狙い。27日に2校が発表した。

実験は、教育とIT(情報技術)を組み合わせた「EdTech(エドテック)」と認知脳科学を活用したもので、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の研究開発テーマの一つにもなっている。

生徒は携帯型の脳活動計測装置を額に着け、授業を受ける。短期記憶や思考、意思決定などをつかさどる脳の部位「前頭前野」の活動の変化を測定し、課題に対し、生徒がどの程度、脳を働かせているかを把握する。

一人一人の変化は、教師の机上に置かれたパソコン画面に色で表示される。青は平静状態を示し、脳の活動が活発になるにつれて赤色に変化する。

22年度までの4年間、高校1年の英語と数学を対象に、延べ100人程度の規模で行う。

同大学院は横須賀リサーチパーク(YRP、同市光の丘)を拠点に、研究開発を行う。実験を担当する同大学院総合文化研究科の開(ひらき)一夫教授によると、こうした実験は全国で初めて。

開教授は「生徒個々の脳活動の変化がリアルタイムで分かる。先生が話していることや授業内容が生徒にどう影響を与えているかを知ることができ、授業の内容を見直すきっかけになる」とその効果に期待。生徒の成績がどう変化するまでを関連付けて研究を進めたいとした。

デモ授業を数回受けた1年の生徒(15)は「自分がどういうことに集中しているかが分かると面白い」、別の生徒(15)は「ちょっと額に汗をかくけれど、(脳活動を)見られているとしっかりやろうと思う。今後に役立つといい」とそれぞれ話した。

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