[教育] ストレスを減らし、集中力を高める~高校生対象のへそヒーリング研究

へそヒーリングが高校生の集中力向上に効果的だという研究結果が学術誌に掲載されました。

シン・ジェハン国際脳教育総合大学院大学教授の研究チーム(共著者:カン・ホジュン韓国脳科学研究院研究員、アン・スンチャン韓国脳科学研究院研究開発室長)は、高校生対象のへそヒーリングを開発し、脳波測定によって、その効果を検証したと明らかにしました。

へそヒーリングが受験生のストレス管理と集中力向上に与える影響を調べたのです。

へそヒーリングとは、へそを中心に刺激して腸をほぐす健康法です。韓国脳科学研究院(院長 李承憲)が開発したもので、日本、アメリカ、中国、ロシアなど、世界中に広がっています。

研究チームは、A高校の高校生19名(男子8名、女子11名)を対象に、2週間毎日朝夕2回(1回5分)、へそヒーリングプログラムを実施しました。生徒のストレス管理能力を調べるために「ストループ課題(stroop task)」の反応時間と脳波の変化を測定しました。

ストループ課題は、提示された色を、4つの選択項目の中から選ぶ問題ですが、色名の文字がその色とは異なる色で表示されており、文字を読むのではなく文字の色を答えなければなりません。参加者の脳はストループ課題を行っている間、色と意味が異なる環境によってストレスを受けます。

実験は「覚醒状態(1分)」「安定状態(1分)」「ストループ課題(60問)」の順で行われました。その後、5分間のへそヒーリングを行ってから1分間休憩します。そして再び、「覚醒状態」「安定状態」「ストループ課題」の順で脳波測定を行いました。

実験の結果、ストループ課題をしているあいだ、ストレスによって安定状態のリズムが崩れ、集中力と没入度が低下しました。しかし、へそヒーリングを5分行うと、前よりアルファ波とSMR波(アルファ波とベータ波の間の脳波)が高く表れました。この脳波は、安定状態を表す脳波で、へそヒーリングがストレスへの抵抗力を高めることを意味します。また、ストループ課題に平均123.0秒かかりましたが、へそヒーリング後は平均112.9秒と、約10秒短縮しました。

研究チームの関係者は「5分のへそヒーリングが生徒の学業ストレス減少に優れているという結果が出た。課題を実行するための集中力と没入度が向上することも確認した」と述べました。

研究チームは、量的変化とともに質的変化を調べるために、へそヒーリングプログラムを受けた高校生の感想文とインタビュー内容を分析しました。

ソン・ジュホ君は「へそヒーリングをする前は、とても疲れて集中力が低下したが、へそヒーリング後は、へそに集中できて、その後は疲れずに集中力が上がったように思う」と述べました。

ソ・ジェウォン君は「体が落ち着いた。頭の中を駆け巡る雑念が随分なくなり、ちょっと静かになったみたい。特にへそヒーリングをした部位のずっしりした感覚に集中すればするほど体がますます落ち着いた」と述べました。

研究チームは、へそヒーリングプログラムが高校生のストレス解消に効果があるため、学業ストレスの多い受験生を対象にへそヒーリングプログラムを実施する必要があると提案しました。

この研究は、産学協力と学際融合分野で韓国を代表する学術誌『(財)韓国産学技術学会論文誌』2017年2月号に掲載されました。