[健康] 日本社会が直面する、認知症「1300万人」時代

高齢ドライバーによる交通事故、徘徊による行方不明、誰にも看取られることなく逝く孤立死――「認知症」が一因と見られる事件・事故が年々目立つようになってきた。だが、これは、世界に先駆けて日本が直面する「認知症社会」の始まりに過ぎない。2025年、国民の1割以上が認知症またはその予備群になる社会では、何が起きるのか。そして解決策はあるのか。(取材・文=NHKスペシャル「私たちのこれから」取材班/編集=Yahoo!ニュース編集部)

いまから8年後の2025年。団塊世代のすべての人が75歳以上の後期高齢者に達するこの年を皮切りに、日本は未曾有の「認知症社会」へと突入する。国民の9人に1人、65歳以上に限れば、実に3人に1人が認知症あるいはその予備群の人になるという「認知症1300万人時代」が来る可能性が浮かび上がってきた。

認知機能は、軽度認知障害から段階を経て低下し、本格的な認知症に移行していく。実は、この初期の段階では、外部からの助けがなくても多くの人が穏やかに生活できることがわかっている。もし、この状態を長く保つことができれば、深刻な認知症患者の発生数を抑えられ、「認知症社会」の問題をかなり軽減できるはずだ。

最新の研究では、その具体的な手立ても明らかになってきている。2015年に発表された、北欧のフィンランドでの「フィンガー研究」。軽度認知障害の疑いがある約1200人の協力を得て、週3回、1日30分ほどの早歩きなどの運動、野菜や魚を多く摂る食生活の改善、さらに、記憶力を使うゲームや血圧管理などを2年間継続してもらったところ、対象者の認知機能が平均25%も上昇したことがわかった。

2025年に75歳以上に突入する団塊世代は消費欲も旺盛で、企業にとっては重要な顧客層だ。その世代が認知症、あるいはその予備群になるのであれば、それに対応した新サービスや新事業も当然求められることだろう。ヘルスケアや介護といった従来のジャンルにとらわれない企業の対応が「認知症社会」を支える上では重要な役割を持つといえる。

2025年「認知症社会」の到来。それに飲み込まれるか、乗り越えるのか。8年後はあっという間にやってくる。

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