[教育] 遊びが子どもの脳を育てる

ホモ・ルーデンス(Homo Ludens)。「遊戯人、遊ぶ人」を意味する人間の本質を説明する単語です。人類史の革新は遊びから始まったと言っても過言ではないのです。

 

楽しさを与える対象の中から、価値を探すのは人間の本能です。自発的・本能的な欲求である遊びを通して、子どもたちは楽しさと幸福感を感じて多様な生きる術を学びます。21世紀脳の時代に、子どもの脳に一番よい環境は「遊び」と言えます。それゆえに就学前の子供には、少なくとも1日に 2~3時間位の遊び時間が必要です。

遊びの活動が、私たちの脳と体にどんな変化を与えるのでしょうか?遊びはドーパミンの分泌を促進します。ドーパミンというホルモンによって意欲がわき、目標を決めてそのために持続的に努力するようになります。ドーパミンは不必要な刺激をなくして、願う目標に関する刺激だけに没頭するように手伝ってくれるので集中力が向上します。

 

遊びを通してドーパミンが生成され、ドーパミン神経回路が活性化すると前前頭葉の実行力も高くなります。実行力とは、自ら考え、目標を決め、行動し、結果から反省点を省察して目標を最適に達成する能力です。そのため勉強のために非常に重要な機能をします。

 

遊びによって新しい刺激を受けると、脳の重さが 10% 増加… 脳の発達に大きな影響

 

また、遊びは自己コントロール力と社会性を育てるのに役立ちます。子どもは遊びによって相手の感情のサインと社会的な状況をよく理解して適応し、社会的な技術を学びます。集団の規則の従い方、友達との交わり方、妥協する方法など社会的な知能を要求するので EQと MQを発達させる良い機会になります。

 

このような適応力や融通性は青少年期と大人になった時、学業成就の基盤になります。 だから遊びは成人になった時、実際の活動を準備する練習になるわけです。子どもは遊びながら、細かく計画を立てたり、自分をコントロールする練習をしていきます。

 

カリフォルニア大学バークレー校の、ある研究結果が私たちに重要なヒントを与えてくれます。ネズミを3つの集団に分けて実験した結果です。第1集団はおもちゃを入れて12匹が一緒に暮らすようにし、第2集団はおもちゃを入れずとても制限された空間で過ごさせ、第3集団は普通の状態で育てました。

 

おもちゃで自由に遊んだネズミは脳の重さが約10%増加したのですが、この結果は環境が脳の発達に大きな影響を与えることをよく示しています。このように楽しく新しい刺激は脳の発達に肯定的な影響を与えます。

 

遊びに没頭した子どもたち、瞑想の状態になる…21世紀脳の時代、最も脳によい環境

 

だから子どもたちが遊ぶのは良い合図だと言えます。子どもが遊びに夢中になっているときはお母さんがいくら呼んでも返事しません。遊びは子どもを没頭させ、没頭しているときの子どもの脳波は下がり、瞑想をしている状態の脳波になります。瞑想が、脳波を安定させ、よく集中できてクリエイティブなアイディアがわく、アルファ波の状態に誘導するということは、すでによく知られています。

 

私達の脳がストレス状態から抜けて、集中力と記憶力、創造力を十分に発揮できるからです。すなわち、遊びは子どもを心配やストレスから抜け出せさせるとても良い瞑想になります。

 

遊びは面白いから時間がたつのも忘れてとても優しく没頭するようになるので脳波がすぐに下がります。私たちが日常生活の中でアルファ波を維持できれば、情緒的に安定し、創造的になり学習効果も高くなるでしょう。

 

遊びは、子どもたちが仕事で生きる術を学んで自分が好きなことを探すために、最も効果的な方法です。子供たちが遊びながら楽しさを感じ、思いきり遊べるように放っておくのは、21世紀脳の時代に最も脳によい環境を用意してあげることだと言えます。没頭して楽しく遊びに集中した経験のある子供たちは後々、勉強も、仕事も、遊びのように楽しくできるでしょう。